「現代最高のサッカー監督は誰か?」
この問いに対して、ジョゼ・モウリーニョを抜きに語ることはできません。
ポルトガル人のモウリーニョは最高の監督であり、
また異色の経歴を持っています。
まず彼は多くの監督と違い、プロサッカー選手ではありませんでした。
しかもクラブに関わった最初の仕事は監督ではなく、通訳でした。
しかしその通訳の仕事をした相手、ボビー・ロブソンやルイス・ファンハール
という名監督たちのもとで勉強した彼は、稀代の名将へと変貌を遂げます。
下馬評を覆してFCポルトを欧州制覇へと導き、
チェルシーではその地位を確固たるものとしました。
その後もインテルやレアル・マドリードなどでリーグ優勝を成し遂げ、
4ヶ国で頂点に立ったのです。
モウリーニョの戦術
さて世界を席巻するモウリーニョの戦術とはどんなものなのでしょうか?
一般的な印象としては、守備的な戦術というイメージがあります。
これは、彼が率いるチームの失点が、とにかく少ないためです。
しかしモウリーニョ自身は、サイドを使った攻撃的な戦術だと口にしています。
特に、カウンター戦術には定評があり、
レアル・マドリード時代のカウンターは得点を量産しました。
他に彼の戦術の骨子となるのが、人心掌握術と緻密な分析です。
6ヶ国語を操るといわれるモウリーニョは、
選手との対話を重視し、己の戦術への理解を求めます。
そして対戦相手については徹底的に分析し、対策します。
かつてモウリーニョの下でプレーしたことのあるドログバ選手はインタビューで、
「あまりに試合が予測通りに動くものだから、
彼には未来が見えているのではないかとすら思った」
と語っています。
モウリーニョの名言集
監督としての評価とともに、モウリーニョは個性的な人物として有名です。
特にライバル監督やメディアに対しての毒舌は、強烈なものがあります。
ただ、その中には名言として取り上げられるものも少なくありません。
一番有名な名言はなんといっても、自身の代名詞にもなっている、
「私はスペシャル・ワン(特別な存在)だ」
でしょう。
自分を特別と言い切れる人は、なかなかいません。
他にも、名言は数多くあります。
「我々チェルシーには最高の選手たちがいる。
そして今、傲慢に聞こえたら許して欲しいが、最高の監督を手に入れた」
「私は自分が世界一の監督だとは思わない。
しかし、私以上の監督がいるとも思わない。」
「私は常に勉強している。あなた方はいつも時代遅れだ」
これらの名言に共通しているのは、絶対的な自信です。
この揺るぎない自信があるからこそ、選手たちから信頼されているのです。
モウリーニョの年俸は?
さて、自身を特別な存在と言い切る人物だけに、
年俸に関しても一切妥協はしません。
彼を欲しがるクラブは世界中にありますが、
彼の年俸を払えるクラブは数えるほどしかありません。
まず最初に、チェルシーに就任した時ですでに5億円ほどの年俸でした。
そしてクラブを変えるごとに年俸は上がっていき、
レアル・マドリードを率いていた時点で10億円を超え、
現在では20億円以上だそうです。
さすがはスペシャル・ワン、といったところでしょうか。